スマホのストリートビューアプリを使用して、スマホ内蔵カメラで360度の写真を撮影することを、今年の10月下旬から久しぶりに行っています。
これは、アプリの画面で指示されるとおりに36枚の写真を撮影すると、それを合成して、その場で360°写真が1枚完成するという機能です。
しかし、撮影済みの画像の方位がどんどんズレていってしまうという症状に悩まされました。
カメラを固定しているにも関わらず、撮影済みの写真が回転していってしまうのです。
この症状の原因と、対策を考えることにより、私はこの問題を克服しました。
この症状は、以下の理由で発生していると私は考えています。
・ストリートビューアプリは、スマホの加速度計のゼロイン調整を、最初の写真の撮影時に行っているようです。
・アプリは、最初の写真の撮影時に加速度計が感じている値を「静止状態」と理解します。
・もし、カメラを徐々に右に振りながらオレンジの点に合わせると、アプリはその状態を「カメラが静止している」と解釈するために、カメラを本当に静止させたときには、「カメラが左に振られている」と判断されます。つまり、撮影済みの画像は右に流れていきます。
加速度計の調整を失敗した例 :
そこで、最初の1枚を撮影したときにカメラが静止しているようにするため、1枚目を何回も撮影し直します。
1枚目を撮影したあとに、その撮影済の画像が5秒後にもほぼ同じ場所に表示され続けていれば、たぶん大丈夫です。
加速度計の調整に成功した例 :
現在は、私の環境で撮影すると以下のような写真が出来ます :
Pixcel 3 で撮影すると、完成した360度写真は 解像度 8192×4096 になります。
Pixcel 5 で撮影すると、完成した360度写真は 解像度 10240×5120 になります。
1枚の360度写真の撮影と合成を完了するまでに約5分掛かります。私が30枚の撮影をするためには2時間必要です。
(追記 :
To take one 360-degree photo, I need 36 photos of my smartphone, and it took about 5 minutes to complete the shooting and compositing of one 360-degree photo.
So it took me two hours to complete making 30 pieces of 360-degree photos (smartphone shutter worked 36 x 30 = 1080 times).
)
私の環境では、この方法で撮影する場合には、1枚の360度写真のためにスマホカメラでの36枚の撮影が必要です。
撮影順は、私は以下のように決めています。
(1)水平方向に30°ずつ12枚。私は右回りに撮影することが多いですが、左回りでも品質には差が生じていません。
(2)斜め上方向を40°ずつ9枚。
(3)ほぼ上方を、120°ずつ3枚。
(4)斜め下方向を40°ずつ9枚。
(5)ほぼ足元方向を、120°ずつ3枚。
(1)で水平方向に1周して12枚を撮影する間に生じるブレが、1枚目と12枚目の重複分の幅の内に収まっている場合には、ステッチ処理は正常になされるようです。
そのような僅かなブレでも、(2)の撮影を開始する際には大きなズレが生じていますし、全36枚の撮影が終わるまでには1回転に達するほどのズレが生じている場合もあります。
しかし、(1)の12枚だけ、そして同様に(2)の9枚の中だけならば整合性が取れる程度の時間内に撮影が完了すれば、(1)と(2)、(3)、(4)、(5)との間で大きなズレがあっても、きれいに繋いでくれています。
アプリは画像内容を的確に判断してズレを解消する計算をしてくれているようです。
ですから、画像内容では正しいつなぎ方が判断できないような景色の場合にはその計算が出来ずに、大きくずれたままになる場合があります。
以下の写真は、斜め下方向で合成された長椅子とテーブルが、丁度90°間違って配置されてしまった例です。
アプリは、写真の整合性を保とうとして、長方形に打ち込まれている杭に注目してくれたと思うのですが、90°ずれた間違った方向に合わせられています。
逆の面から考えると、このアプリのステッチ性能は、長方形の90°単位での整合性が保てるほどの高機能だということがこの結果により示されています。
https://goo.gl/maps/tgWqjmUaYaYUFEaZ6
正しい長椅子の配置は、以下の写真を参照して下さい。
https://goo.gl/maps/SGfruaedn1ChHw2i7
私はこの方法で、この40日間で数百枚の撮影をしました。
右足のつま先を回転中心にして、つま先の真上にスマホカメラのレンズを配置し、そしてすべての写真でレンズの高さを同じに保って撮影することにより、ほぼ満足出来る写真ができあがっています。
私の体幹が弱くてその体勢を保持できなかったとき(ノーダルポイントを固定できなかったということです)の写真はステッチズレが生じています。
また、下向きの3枚を撮影するときにはキョンシーやキャイーンのような姿勢をすることによって、足の映り込みが少なくなるように工夫して下さい。
作品例は以下の通りです。
https://www.localguidesconnect.com/t5/General-Discussion/スマートフォンのカメラでストリートビューを撮影する-の機能を堪能しました/m-p/2750786#M1015822
https://www.localguidesconnect.com/t5/General-Discussion/解像度が異なる写真は-ストリートビューの1本の青線内に混在できないようです/m-p/2780197#M1030698
私がこの撮影方法を必要とした理由は、一脚さえ使用が許可されない寺院でストリートビュー撮影をしたかったからです。
しかし、カメラを固定することが可能であれば、Ikoma Nature Walk さんが提唱されている以下のような方法を採用して、スマホをきちんと固定するのがベストだと思います。
https://youtu.be/bA5sJAVHQtU